怖くてぞっとした医者
「 花 」
医者とのかかわりでぞっとしたことがある。
ある晩のこと、もう10時を過ぎたころ、一度診察
を受けに行った内科の医者から、これから往診に
行くと浮き浮きしたような弾んだ声で電話がかかっ
てきた。
今日はもう遅いですから、といっても、これからい
くと言う。診てもらうのは夫で、わたしは付き添いで
その医院へ行ったのだ。
わたしは医者の笑いを含んだ、まるでデートにでも
出かけるような華やいだ話し方にとても不安を感じ
た。、もし危険を感じた時は?と考えて、まず携
帯をポケットに入れたり、大声で助けを呼ぶために
窓をすこし開けておいたり、いていると医院の奥さ
んから謝りの電話がかかってきた。どんなにほっと
したことか。
わたしたちは医者を信頼して体をあずけているが
ひとたび、それが崩れると、怖い。と言うより,いろ
いろ想像すると気味が悪くぞっとする。
その医院はそれからしばらくして閉じられた。多分、
精神の病だったんだろう。60代ぐらいの医者だった。
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